20世紀終盤には『完全自殺マニュアル』が流行したが、いまはアセンションが静かなブームである
- 20世紀終盤には『完全自殺マニュアル』が流行したが、いまはアセンションが静かなブームである
- そこまでするか?
- ゲーテの影響によるヨーロッパでの自殺ブーム
- 実体験から
- アセンションは本当にブームなのか?
西暦1993年に出版された、『完全自殺マニュアル』という本をご存じでしょうか?
実は、わたしも20代の時に、購入しました。
これは、自死を薦める主旨で書かれてはいません。タイトルから受ける印象とは違います。
著者の鶴見氏曰く、「これを読めば、自殺するのが愚かしく感じられるだろう。自殺のすすめではない。」との見解でした。
たしかに、これを読むと、「そこまでして、自殺するのか・・・?」と目を疑いたくなるほどの事例が次々と登場してきます。
そこまでするか?
この本は、自殺した人たちのケースを詳細に記したものです。
その中から、印象に残っているものを挙げます。
1.
失恋を理由に、鳥取砂丘にまで出かけて、穴を掘り、そこに遺書とともに埋まった方(あとから発見された)の例。
これなどは、他者から見れば、「たった一度の失恋で、思い詰めて、そこまでするか?!」と思えます。
しかし、その方(男性)にすれば、世の終わりに思えたのでしょう。次の恋を待つことができずに。
けれども、そういう極端な事例が調査の元に記載されており、20世紀終盤のベストセラーになりました。
そこで、読み手も、自分に置き換えてみて、
「自分なら、そこまでしない。次の恋を待つだろう。」
と考えて、
「死なないで、いまという瞬間を、少しでも改善してみよう!」
と前向きになるわけです。
ですから、著者の鶴見氏の言い分は、後付けではなく、本音ではないでしょうか?
「これを読めば、自殺するのが愚かしく感じられるだろう。自殺のすすめではない。」
( ⬆ 《再掲》 ~ 著者:鶴見氏によるタスキに書かれた文言 )
2.
富士山の樹海に、はるばるリュック姿で一人旅をして、行方不明、または、死後発見されたケース。
富士山の樹海に行くルートまでに目にする看板(命を大切に、引き返しましょう、など)の写真が掲載され、リアル体験と錯覚するほどの構成力がありました。
この方面に、一人旅をする人は、慣れた観光業の方であれば、「願望者だろう」と、推測がつくといいます。
思いとどまらせるセリフの書かれた看板の写真が並び、あたかも、自分がそこに行くかのように錯覚してしまいます。
そして、多くの読み手は、こう思います。
「そこまでして、煩雑な手続きを経て、長旅をして、勘のいい観光業者の質問をかいくぐってまで、死に憧れるのか・・・(自分から、そこまでして、逝きたくない)」
そう思って見ているうちに、「まあ、いまの状態から、やりなおしてみよう!」という、生きる気持ちに向かっていきます。生命力の自然回復です。
やはり、いみじくも著者の鶴見氏の言うように、「いざというときには参考になるが、読んでいくうちに、自死を選ぶのが愚かしく思えてきて、いざというときが決して来ない」作品なのかもしれません。
ゲーテの影響によるヨーロッパでの自殺ブーム
ドイツのゲーテにより書かれた『若きウェルテルの悩み』という小説の影響で、18~19世紀のヨーロッパで、特に若者の自殺が増加したことが知られています。
これは、西暦1774年に創作されたもので、主人公の悩める青年ウェルテルが、婚約者のいる美しい女性シャルロッテに実らぬ恋心を捧げ、あえなく自殺を選ぶ、という結末です。
最後に、ウェルテルがピストル自殺を図るまで、後半は書簡体の体裁を織り交ぜながら進みます。ここで描かれる主人公の言葉に感情移入しすぎた若者を中心に、その言動をまねる結果=自殺の増加をもたらしました。
若い人ならば誰でも避けては通れない感情を普遍的に捉えていますので、人生経験の少ない若者たちが影響を受けるのも、致し方ないのかもしれません。
作品では、自殺する主人公ウェルテルが、青い洋服と黄色いチョッキを着ていたことから、同じ色彩の衣服が流行するなど、ゲーテの作品による社会的な影響は甚大でした。当時は、テレビもパソコンもなく、そのため、実体験と結びつく媒体は、文学や歌劇などしかなく、もろに影響を受ける点では、はなはだ危険な存在でもあったのです。
また、ゲーテの実体験を元にしているともいわれ、その分、表現がリアルになりすぎたのでしょう。
わたしも、20代前半で、新潮文庫から出ていた『若きウェルテルの悩み』を購入していましたが、すでにかなり以前に買取り屋に売却しています(『完全自殺マニュアル』とともに)。若い人ならいざ知らず、やはり、ゲーテは、陽の性質にスポットライトを当てなくてはなりません。
たとえば、『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』という小説は、その点、主人公ヴィルヘルムが、演劇を通してさまざまな個性豊かな人物に出会いながら人間的に成長していくさまを描いており、健康的な人間性を誇る作品です。
ゲーテの前向きな気持ちにしてくれる言葉については、以前に記事でまとめていますので、以下をクリックして、ぜひご覧ください。
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実体験から
昭和生まれの方であれば、『完全自殺マニュアル』については、ご記憶の方も多いかと思います。
いま思えば、当時という世紀末に向かう時代を象徴する作品でした。生きにくさは何も、最近、急激に始まったわけではないのでした。
わたしも、20代のとき、虎ロープを、ホームセンターで買いましたが、ぶらさがることなしに、何とかこんにちまで、無事に生きてきました。
それはかなりまえに処分しましたが、その時期には、それが当時住んでいたアパートの押し入れにあるという安心だけで、何とか生き延びることができたという時期がありました。
どうか、これをお読みになっているみなさんにおかれましても、たとえつらいことがあっても、自他とともに命を大切にして、生き延びましょう。
現代は、地球という惑星が、アセンション寸前まで来ていますので、ここでみずからドロップアウトするのは、もったいないところですね。
当時は、アセンションを知らない人も多く、希望を失うと、歯止めが利かず、一線を越えてしまうという状況がざらにありましたから、自殺者が多かったのも致し方のないところだったのでしょう。
しかしながら、コロナや紛争や物価高騰など、さまざまな問題が登場してきたにもかかわらず、わたしたちがこうして、地球上の生命はすべて意識の集合体としてアセンションしていくのだという強い自覚が形成できている事実を思うとき、やはり、昭和などから比べてみると、よい意味で、隔世の感があるなと感じます。
アセンションという惑星ごとのお祝いの機会に浴する光栄に与ることができるのは、命あっての賜物と言えるでしょうから。
というわけで、ここで、その著作を商品として、あえて紹介したりはしません。上述してきたとおり、現代においては、アナクロニズム(時代錯誤)と言えるからです。
アセンションの季節に転生を決意した強者たちが、そう簡単に脱線しないであろう事態を予想してのことです。たとえ、一時的に孤独に打ちひしがれる苦境に陥ったとしても、必ず突破口を見いだす覚悟ができているはずだからです。
(「悩みを突き抜けて、歓喜に至れ!」 有名なベートーヴェンのことばを胸に秘めて、孤独を乗り越えていきましょう!! 《写真》=孤独のイメージ )
アセンションは本当にブームなのか?
アセンションが静かなブームといっても、密かにどこかで集会が開かれていたりして流行している、というわけではないのです。
何がいくら売れたかで計れる指標はアセンションには通用しません。
作られたブームではなく、虚飾のヴェールが剥がされ、いよいよ生命と宇宙の真実に迫る局面を迎えました。
少なくとも言えるのは、「気づいた」人は、絶えず心の底の部分にアセンションがいつか起きる予感が流れていて、それを「静かなブーム」と呼ぼうと思えば呼べるのではないでしょうか?
また、表面上の意識では全く気づいていないかに見える人でも、当の本人でもわかっていない領域、つまり、潜在意識下では知っていて、「ブーム」を感じ取っている、というケースも、多く見受けられるでしょう。
多くの人は幻想にすぎない3次元から目覚め始めており、それが各人の内面を貫流して、人類の集合意識として表出したときに、いよいよ、アセンションという展開になりましょう。このタイミングであれば、銀河連盟のUFOが登場しても、誰も気絶しないでしょうし、お互いに対等な意識での交流が開始されるにちがいありません。
たとえ主流のメディアで取り上げられなくても、アセンションが進行中だと判断できるでしょうか?
ぜひ、そのような指標を持ってください。
どんな惑星でも次元上昇する場合には、必要な情報が秘匿されるケースがほとんどで、公的な立場から、手取り足取り教えてもられるものではないからです。
それを待っているだけの人は、3次元を繰り返す運命にあります。
わたしたちは、立ち止まってはいけません。真実を探求してやまない姿勢は、いままさに重要視されてきているのです。
(テクノロジーの進歩にあわせて、スピリチュアルな内面も進化しなくては、真の進化は起こりません。 《 写真 = 宇宙の最新テクノロジーのイメージ 》)
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