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【世にも美しい波動の上がる音楽 27】 美しく、しかし、ときに力強い、波動を上げるモーツァルトのメヌエット 3選!!  『ジュピター』 『大ト短調』 『ポストホルン』

 

 

【世にも美しい波動の上がる音楽 27】 美しく、しかし、ときに力強い、波動を上げるモーツァルトのメヌエット 3選!!  『ジュピター』 『大ト短調』 『ポストホルン』

 

 

 

 

 音楽作品における「メヌエット」は、中世ヨーロッパで興った明朗で優雅な踊りの音楽の一種で、その後、ひろく浸透し、かのモーツァルトもたくさんメヌエットを書き残しています。

 

 

 しかし、通例としてモーツァルトの時代には交響曲における第3楽章で用いられてきた「メヌエット」でしたが、モーツァルトの死後、ベートーヴェンがより荒々しい「スケルツォ」に置き換えたとき、つまり、西暦1803年に初演されたベートーヴェン作『交響曲 第2番 ニ長調 作品36』の第3楽章でメヌエットではなくスケルツォを採用してからというもの、メヌエットという音楽形式はしだいに廃れていきました。

 

 おもに交響曲などで、優雅な踊りを連想させたり、あるいはリズム感のある明快な音響を与えたりしていた「メヌエット」は、ベートーヴェンによって強靭な意思の力を盛り込まれた「スケルツォ」に変わり、交響曲というジャンルは作曲家が命をかけて全思想を表明する時代へと変遷していったのでした。

 

 

 さらにそれから時代が進むと、激しさばかりが目立つようになってきたスケルツォの在り方に対して、その反動なのか、チャイコフスキー(西暦1840~1893、ロシア)が、『交響曲 第5番 ホ短調 作品64』(西暦1888年)において、第3楽章に、踊りの音楽で柔和な「ワルツ」を採用するなど、独創的な試みもなされています。たんなる古典回帰を嫌って、メヌエットに戻るのではなく、バレエ音楽も手掛けていたチャイコフスキーは、優美なワルツを書いたのでした。

 

 ただし、チャイコフスキーの最後の作品、死の10日ほど前に完成した『交響曲 第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」』における第3楽章では、再び、ワルツからスケルツォ風の音楽に戻されています(この曲の演奏と解説は、西暦2023年12月27日の記事を参照願います)。

 

★チャイコフスキーほか「スケルツォ」の解説記事★

 

 

 

 きょうは、モーツァルトの時代に栄えた「メヌエット」にスポットライトを当てて、モーツァルトによって書かれたメヌエットのうち、個性的な3曲をご紹介することにしましょう!!

 

 

 メヌエットは、中世ヨーロッパで作られ始めた踊りの音楽で、4分の3拍子をとることが多い楽曲形式です。

 

 

 しかし、文字だけではわかりませんから、さっそくじっさいに聴いてみることにしましょう!!

 

 

 なお、メヌエットは複合三部形式で書かれることが多いのですが、わかりやすさ、鑑賞のしやすさを重視して、三部形式のように紹介していきます(ただし、『ポストホルン』のメヌエットは、異例のため、五部形式として解説しています ~後述)。

 

 

 

『ジュピター』

 『ジュピター』とは、モーツァルトの最後の交響曲となった

 

『交響曲 第41番 ハ長調 K.551』

 

に付けられた愛称です。

 

 

 この名称は、ジュピター、ユピテルなどといわれる古代神話に登場する神であり、木星でもあり、そのような人間離れした風格、巨大な思想が音楽に込められているとして名付けられたと言われています(モーツァルト本人による命名ではなく、彼の死後に付けられた名称です)。

 

 たしかに、この曲を聴くと、浮世での悩みが如何にちっぽけなものかを痛感させられるように思えてくるのも事実です。

 遠大な宇宙にいて、その後身体は解体し、魂は存続するという神聖な宇宙の掟のもとに生きているのだと思うと、勇気づけられるものです。モーツァルトの『ジュピター』は、そんな曲です。とりわけ堂々とした第1楽章、フィナーレのフーガと、聴きどころ満載です。

 

 

 今回は、第3楽章のメヌエットに焦点を当ててみることにします。

 

 クロマティック(半音階的)に下降する音型で始まり、打楽器のティンパニが神々しさを演出しています。

 

 作曲されたのは、西暦1788年(=モーツァルト 32歳)、作曲の動機は不明です(何かの演奏会のために作られたのでしょう)。

 

 

交響曲 第41番 ハ長調 K.551 『ジュピター』

第3楽章(メヌエット) ~ アレグレット ハ長調

 

 

①メヌエット(第1部)       0:00 ~ 2:34

★半音階的に下降する雄大なメヌエット主題です。ティンパニ(太鼓のような音のする打楽器)の使い方が特徴的で、のちのベートーヴェンの第9交響曲の第2楽章(スケルツォ)にも応用されました。

 

 ここでのブルーノ・ワルター(西暦1876~1962、ドイツ)が指揮する演奏はモノラル録音で西暦1960年前後のものですが、ティンパニの刻む音の堂々たる貫禄は、演奏の古さを感じさせない迫力があります。

 

②トリオ(第2部=中間部)     2:35 ~ 3:46

★中間部のトリオでは、その途中で、次の第4楽章の第1主題が先取りされて演奏されます(2分55秒~3分05秒、および、3分21秒~3分31秒)。

 

③メヌエット (第3部)        3:47 ~ 5:07

★メヌエット主題が堂々と回帰します。

 

 天から神々が降りおりてくるようだ、と、かつて、20世紀には評された音楽です。現在は、もっと楽譜に忠実でスマートな演奏が好まれていますが、かえって、こちらの20世紀の演奏のほうが、魂のこもった名演である場合も多いのが、クラシック音楽の特徴です。否、新しいものがすべて正しいわけではないのは、何も音楽に限った話ではありませんが。

 

 

 

 下記をクリックすると、曲のアルバムが表示されます(会員様限定です)。

 

◎第3曲目にあるのが、交響曲『ジュピター』のメヌエットになります。

 (Amazon側の都合で、曲の掲載順序は変更される場合があります)

 

 

 

 

 

 

『大ト短調』

 『大ト短調』とは、

 

『交響曲 第40番 ト短調 K.550』

 

のことをさします。この曲の第3楽章が、メヌエットになっています。

 

 では、この『大ト短調』に対して、『小ト短調』はあるのかというと、それは『交響曲 第25番 ト短調 K.183』という初期の作品があります。モーツァルト32歳の年に書かれた『大ト短調』に対し、『小ト短調』のほうはわずか17歳(=西暦1773年)で作曲された傑作です。

 

 

 モーツァルトが書き上げた交響曲のうち、短調なのは上記の2曲だけでした。ご存じのように、短調は、暗く、あるいは激しさを秘めています。そんな特徴を持つ短調で書かれたメヌエットに注目です。この曲で踊るようにと言われても、なかなか難しいのではないでしょうか?

 

 しかし、音楽の天才モーツァルトの筆は、踊りの気分を通り越してなお深い世界に到達し、人間の深淵をのぞき込むかのような音楽を書き上げたのでした。

 

 

 昭和の時代に小林秀雄という文芸評論家がいて、その著作の中で、この『大ト短調』に過大な評価を与えたために、特に演奏や録音される機会の多かった作品なのですが、ようやく最近になってこの曲も、時代の推移とともに、「多くの傑作のなかの一つ」という地位に落ち着いたかにみえます。

 

 たしかに彼の言う「疾走する悲しみ」という印象は一面としてはありますけれども、それをもって、モーツァルトの音楽における他の側面を否定してはなりません。主として悲しみを表現する音楽ばかりをモーツァルトが書いていたわけではなかったのですから。

 

 

 しかし、ここは、あえて少しばかり昭和にタイム・スリップして、悲しみを美に昇華したと言われた短調のメヌエットに、しばし、耳を傾けてみようではありませんか?

 

 

 では、聴いてみましょう!!

 

 求心力を持った主題が盛り上がっていき、中間部では管楽器を中心に、つかの間の休息となるものの、ふたたび悲劇的な主題が戻ってきます。

 

 西暦1788年に作曲され、どこで初演されたのかは不明となっています。

 

 

交響曲 第40番 ト短調 K.550 『大ト短調』

第3楽章(メヌエット) ~ アレグレット ト短調

 

 

①メヌエット(第1部)        0:00 ~ 1:56

★メヌエット主題は、異例の緊張感に満ちた主題で始まります。しかし、情緒に流されず、がっしりと堅固な対位法が組まれています。古いバロック音楽の構成美と、ロマン派音楽の時代を先取りするかのようなロマンティシズムが融合した、聴きごたえのある主題です。

 

②トリオ(第2部=中間部)      1:57 ~ 4:03

★中間部・トリオでは、一転して弦楽器と管楽器が対話風に協奏しながら、柔和な響きを聴かせます。

 

③メヌエット (第3部)        4:04 ~ 5:09

★ふたたび、峻厳なメヌエット主題が再現し、短調のまま閉じられていきます。

 

 

 下記をクリックすると、曲のアルバムが表示されます(会員様限定です)。

 

◎第3曲目にあるのが、交響曲『大ト短調』のメヌエットになります。

 (Amazon側の都合で、曲の掲載順序は変更される場合があります)

 

 こちらも、『ジュピター』と同じく、ブルーノ・ワルター(西暦1876~1962、ドイツ)の指揮する、コロンビア交響楽団の演奏です。録音は、西暦1960年前後とみられます。

 

 

 ここで聴かれる従来の交響曲にはなかった深刻で悲劇的な響きが、のちのベートーヴェンやブラームスの創作活動に甚大な影響をもたらしたのは周知のとおりです。

 

 ベートーヴェンの第9交響曲や、ブルックナーの第7交響曲のスケルツォなどにおける、宇宙的で神秘的な響きの原点を探っていくと、もしかすると、モーツァルトのこのメヌエットにさかのぼることができるかもしれません。

 

 

 こうして交響曲は、歌劇の幕間(まくあい)に演奏されるムード音楽の域を脱して、曲そのものに世界と人間感情のすべてを表現し尽くすかのように作曲家が命がけで取りかかるべきジャンルへと切り替わっていくのでした。

 

 いまでは忘れられつつある昭和の評論家、小林秀雄氏のいう「疾走する悲しみ」といった一面もさることながら、それ以上に深い情念を表現していたのが、モーツァルト晩年の作風だったともいえるのではないでしょうか。

 

 ここでも音楽史における重要な位置を占めるモーツァルトを再発見した気持ちになることができるでしょう。

 

 

 

 

 

 

『ポストホルン』

 

 ポストホルンは、楽器の名前です。モーツァルトの時代のヨーロッパ、郵便馬車で合図を送るときに使用されて、そのうちに楽器として用いられるようになりました。

 

 以前にこの曲『ポストホルン・セレナード』の第4楽章を紹介しました。

 

 この曲は、西暦1779年、モーツァルトが23歳の年に完成されました。

 

 ここではメヌエットですが、めずらしい楽器である「ポストホルン」が登場しますので、どうぞお聴き逃しなく。

 

 この楽章は、少し変わっていて、通常の「メヌエット-トリオ(中間部)-メヌエット」ではなく、

 

「メヌエット -第1トリオ -メヌエット -第2トリオ -メヌエット」

 

と5部による構成になっています。

 

 第1トリオではピッコロが、そして第2トリオではのどかなポストホルンが出てきます。

 

 音楽の天才モーツァルトの筆が生み出すさわやかで、メリハリのついたメロディーのかずかずを、おたのしみください。

 

 なお、この曲には、じつは、もう1つ、メヌエット楽章があります。しかし、より印象的なこちらの「第6楽章」のほうを取り上げました。『ポストホルン・セレナード』は、全部で7楽章まである規模の大きいセレナードです。

 

 

セレナード 第9番 ニ長調 K.320 『ポストホルン』

第6楽章(メヌエット) ~ ニ長調

 

 

①メヌエット(第1部)          0:00 ~ 1:04

★堂々とした4分の3拍子の旋律が、オーケストラで奏でられます。

 

②第1トリオ(第2部=中間部)    1:05 ~ 1:34

★第1の中間部が、ピッコロでさわやかに奏されます。

 

③メヌエット (第3部)      1:35 ~ 2:39

★最初の主題の2回目の登場です。

 

④第2トリオ(第4部=中間部)    2:40 ~ 4:19

★郵便馬車で使われた名残のあるポストホルンが、郷愁を込めて吹奏されます。

 ここで、特殊な楽器であるポストホルンが使われるために、曲全体の名称が『ポストホルン・セレナード』と呼ばれるようになりました。

 

⑤メヌエット (第5部)      4:20 ~ 5:06

★メヌエット主題の三現で、祝典にふさわしく閉じられます。

 

 

 

 下記をクリックすると、曲のアルバムが表示されます(会員様限定です)。

 

◎第7曲目にあるのが、『ポストホルン』のメヌエットになります。

 (Amazon側の都合で、曲の掲載順序は変更される場合があります)

 

 

 

 この『ポストホルン・セレナード』の第4楽章は、フルートとオーボエのための協奏曲風の音楽で、かつての記事で紹介しました。こちらもあわせてお聴きください。

 

★ポストホルン・セレナード 第4楽章の解説記事★

 

 

 なお、同じモーツァルトの作品である『交響曲 第39番 変ホ長調 K.543』の第3楽章「メヌエット」については、西暦2024年2月11日の記事で解説を付して演奏を紹介しておりますので、興味のある方は、そちらも鑑賞なさってみてください。こちらは、中間部で、まろやかな管楽器であるクラリネットが活躍する、美しく、きびきびとした音調の楽曲です。

 

★モーツァルト『交響曲 第39番 変ホ長調 K.543』の第3楽章「メヌエット」の解説記事★

 

 

 

まとめ

 

 メヌエットにもいろいろあるように、わたしたちの人生観も多様なほうが面白いでしょう。

 

 ですが、目的もなく、目先の享楽にふけるだけというのは、あきらかに転生に悪影響が出ます。ですので、多様な価値にあふれた世界において、アセンションの路線から大幅に逸脱しないように心がけて、それでいながら、適度に寄り道をして遊ぶことも、地球での重要な学びの一環であるような気もします。

 

 

 みなさんは、今回の3つのメヌエットについて、どんな感想をお持ちになったでしょうか?

 

 世界が変わる日まで、波動が高まる音楽をかけて、3次元の日々をていねいに過ごすようにしましょう。その先が暗くなるはずがありません。

 

 それにしても、モーツァルトは、素晴らしい音楽を残しましたね。この遺産を受け取り、さらにわたしたちもアセンションの領域で、後世に価値あるものを残していきたいものです。もちろん、後世とは、この3次元ではなくて、5次元のことです。3次元は、現実逃避組に任せて、われわれだけでも、先に駒を進めることにしましょう。

 

 

 

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