川口浩探検隊長よ、夢をありがとう!
昭和時代の冒険心
昭和の代名詞といえば、
それは、川口浩探検隊シリーズ
ではないでしょうか。川口浩探検隊長に率いられ、冒険先の現地ガイドとともに、世界中の未知の秘境を冒険するDVDのことです。
それは、大きく分けて、次の分類で構成されています。
1.洞窟探検
2.謎の生物編
3.原住民との交流編
1.洞窟探検
洞窟探検の旅のDVDは、もっともおすすめできます。
一番スリルがあります。
多少とも演出効果を狙わざるを得ない場面はあります。
しかしその中でも、洞窟探検は、地上や海での場面よりも演出できる範囲が狭められており、命がけの緊張感が伝わってきます。暗闇に閉ざされた空間で、隊員たちに何が起こるかわからない、ハラハラした感じが観る者を引き込んでくれます。
もちろん、そんな冒険の撮影で命を落としてほしくはないですが、自分もそこにいる臨場感というか、あたかも川口浩探検隊長率いる探検隊の一員に加わったかのような心地よい錯覚を伴いながら観ることができるのが、この洞窟探検シリーズのよさでしょう。
2.謎の生物編
未知の生物を追え!というようなタイトルを冠して、密林の奥地にいる生物を探すという冒険シリーズです。
どうしても、番組の構成自体を、「人間 対 謎の生物」という視点にするしかなかったので、彼らの生息地に見知らぬ人間たちが入っていってパニックを起こしている動物を必要以上に危険だと見なすのは、かわいそうに映ってしまいます。
逆の見方をすると、そのような見解を持てるようになったということは、その分だけ、わたしたちの意識が、昭和の方と違い、少しばかり他の生物種を慈しむ傾向を帯びたために、共感力を伴ってきたのではないか、との分析も可能でしょう。
政治的な動物愛護とは無縁に、やはり、もっとわたしたち人間は、他の生物種に思いやりと理解を持たなくてはならないと改めて思いました。
人間が真に幸福になれないのは、真の他の生物種の在り方と、魂の本質について無関心を貫いてきたからに他なりません。
しかし、そのような気づきを与えてくれたという意味においては、この川口浩探検隊シリーズのDVDは、そのきっかけを作ってくれたといえます。
歴史的な価値はあります。
ただ、この動物編は、そのような理由で、個人的にはおすすめしたくない気がします。あくまで、個人的な感想ですが・・・
というのも、いきなり、生活圏に知らない巨人たち(人間のこと)が入ってきたら、どんな動物でも、ビビりますよね?
3.原住民との交流編
開発が進んでいない海外の国の原住民とコンタクトするDVDシリーズも、国際化があまり進んでいなかった当時をしのばせます。
原住民の首長 「だれだ、何しに来た?」
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現地ガイド 「(事情を伝える)」
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そこで、川口浩探検隊長が代表してコンタクトを取り、長老の家に入るが、なかなか出てこない。
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しばらくして笑顔の長老と、川口浩探検隊長が握手しながら、みなの前に現れる。
・・・この予定調和的な展開は、さすがにお約束だったのかもしれませんが、オペラの一場面のように、いい意味で「整えられた」場面だったと思います。
自然に、観ている側の表情も、緊張が解かれ、ほころんでいくのがわかります。
その後、警戒心を解き、だんだん親交を深めて、数日間、寝食をともにして最後に別れを惜しむ場面では、演出ではなくなって、本当に別れを惜しむ隊員が涙する場面もあり、心地よさが醸し出されていて感動的です。
独特の効果音が、いい
あの、独特の効果音がいいですね。
ガーン!!
緊張感を高め、映像を観ている人が、ほんとうに洞窟内部に閉じ込められたかのように錯覚するほどに、じつにさまざまな効果音が使われています。
未知の存在に対する憧れと恐怖、未知と出会えば必然自分も変わる。
変化への渇望と現状維持へのこだわり。
わたしたちの3次元を支配してきた、二元論のあいだで、心に揺らぎが生じます。
未来の変化は、いつか必ず訪れます。
それはわかりきったことですが、なかなかわたしたちは、うまく適合させるのが難しい面があります。
おすすめのDVDは、どれ?
やはり、個人的には、洞窟探検のDVDが一番おすすめできます。
洞窟から抜け出て、日の光を見つけるときのうれしさと言ったら!
それはそれは、生き返るようでした。
動物ものと、原住民ものは、アセンションが迫った現在では、立場が逆転していますので、アナクロニズム(時代錯誤)な感があります。
一般に、先進国よりも、先住民族のほうが地球に密着した生き方を先祖代々継承しており、波動が高いと言われています。他の動植物にも敬意を払いながら人間としての生活を営んでいます。
また、動植物もアセンションの領域においては、人類より一歩も二歩も先んじて取り組んでおり、なかには、人類の目覚めをサポートしてくれる野生動物も数多く存在しているのが実状です。
そのように、きちんとした心構えで生きているかぎり、「古い時代」の作品を鑑賞しているのに、「最新の情報」にふれることが可能になります。
ここで重要なのは、
◎「古い時代」 = 昭和(の作品)
■「最新の情報」= あなたの心が知覚した、新時代に必要とされる感覚
というポイントです。
ここで「最新の情報」が、だれかに知らされた内容でなく、あなた自身が、雲をつかむような「情報」を、心でキャッチしたことを意味するからです。
現状を何とか変えたい、と思ったら、だれかが発案するのを待たずに、感受性をみずみずしくしておきましょう。
だれかに、年齢のことを言われたらといって、老け込む必要も無いですし、感受性はいつも、生まれたてだといわんばかりの若さをもっているのが、健康的だと言えるでしょう。
毎日が、同じ日の繰り返しだと、思いますか?
あるいは、日ごとに老いさらばえていくなどと、悲観していませんか?
全然、そんな、考え方はしなくていいですよ?
心が平板にならないで、たえず流動的でいると、日々、発見があるでしょう。
現在はこのような作品をDVDで観ることができるので、よい時代になりました。わたしを含めて、当時、テレビで観ることができなかった方々も、こうして、鑑賞できるようになりましたね。
個人的な主観に基づいていうと、おすすめできるのは、洞窟探検の映像作品だけです。
これだけは、安心して観ることができると断言できます。
DVD3枚組で、次の6編の冒険が収録されています。
1.アイスランド ” ギャオ ” これが地球の割れ目だ! (前編)
2.アイスランド ” ギャオ ” これが地球の割れ目だ! (後編)
3.ブラジル・暗黒の闇 ” 光る河 ”
4.ユーゴスラビア・消えた湖の謎
5.中国・謎の地底大噴水
6.スイス・神秘!巨大氷洞穴
この6編の中で、最も求心力のある作品は、なんといっても、1と2の、「アイスランド ” ギャオ ” これが地球の割れ目だ! 前編・後編」です。
アイスランドの地底にある、凍り付いた洞窟に探検隊は潜入します。いくども困難に行く手を阻まれ、それでもめげずに先に進む探検隊員たち。
観ているだけで寒さが伝わる中、川口浩探検隊長の判断で、温泉にみなで浸かる場面が出てきますが、ほんとうにここは生き返る気がします。
ラストは、氷の宮殿と化した地底の暗闇を背景に、赤々と燃え上がる地底のマグマ・・・この恐るべき自然の驚異が織りなすコントラストは、観る者を圧倒します。
まさに命がけの冒険、現在では、このような収録は危険すぎて隊員が集まらないだろうと思われます。
ナレーション部門では、いぶし銀の田中信夫氏の声が、冒険のドラマ性をいやがうえでも高めてくれます。
ほとんどしゃべりっぱなし、しかもおおげさなほどの文語調、低い声・・・荘厳な時代を感じます。
昭和の雰囲気を味わいたい方は、ぜひ、ごらんください!
【まとめ】
しかし、昭和の時代の映像作品にしか求められない、真実を探求するすばらしさ、演出上の問題が指摘されてもなお輝き続けるその価値は、永遠に減じることはないでしょう。
それが、新たな時代の入り口に立っている現在のわたしたちを導いてくれたともいえるでしょう。
内容は、たしかに、一部演出も含まれ、時代に沿わない箇所も、散見されるでしょう。
しかし、そのような時代を通して、現代にあっては、未知のものを真剣に探究してやまない精神が世代を超えて伝えられ、まもなく結実しそうな地点まで来ています。
そういうわけで、川口浩探検隊長および隊員のみなさんに最大限の敬意を払い、この記事を結びたいと思います。