一人を生きる -希望の彼方に-

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【世にも美しい波動の上がる音楽 50】 弦楽器群の甘美な響きによって、日頃の疲れを取り除こう!! グスタフ・マーラー『アダージェット』

 

 

【世にも美しい波動の上がる音楽 50】 弦楽器群の甘美な響きによって、日頃の疲れを取り除こう!! グスタフ・マーラー『アダージェット』

 

 

 

 

 

 


 きょうは、グスタフ・マーラーが作曲した『アダージェット』をご紹介します。

 

 弦楽器の甘くとろけるような旋律のうねりに身を任せていると、異国情緒を越えて、はるか高みの世界へといざなわれるかのごとき錯覚に陥ります。

 

 

グスタフ・マーラーの生涯

 

 グスタフ・マーラー(西暦1860-1911)は、チェコに生まれた、後期ロマン派に属する作曲家です。

 

 劇場の監督や、指揮者などの激務をこなすかたわら、作曲も並行して行なっておりました。

 

 マーラーは知的で神経質な面があり、妥協を許さず激しやすい性格でもあったことから、しばしば劇場支配人と衝突することとなりました。その結果、安定して一か所にとどまることができずに辞職を繰り返すことにもなったのでした。

 

 さらに、マーラーにはユダヤ人の血が流れており、本人のアイデンティティにも甚大な影響を及ぼしていました。ユダヤ教を崇拝するべきか、それともキリスト教で通すべきか、最後までマーラー本人を悩ませることになります。

 

 また、マーラーには弟がいましたが、人生に希望を失い若くしてみずから命を絶ちます。このことにマーラーは大きなショックを受けます。

 

 

 マーラーはその後、40代になってようやく待望の妻アルマを得ます。当初は幸せな結婚生活が続きましたがそれも束の間、愛娘を病気で失ってしまいます。

 

 それにとどまらず、妻アルマは美貌の女性であり、20歳近くマーラーよりも若かったために、しだいにマーラーとの気持ちに距離が出てくるようになり、やがて若い男性に恋をして不倫騒動が発生してきます。マーラーはそれを知って落胆しますが、そのまま結婚生活を維持します(しかし、マーラーの死後、妻アルマはその男性と再婚しています)。

 

 

 50歳代に入ったマーラーは上記のような多くの不幸を抱えながらも作曲を続けますが、心臓や内臓の病気が進行していったこともあって、『交響曲 第10番 嬰ヘ長調』に着手したものの完成しないまま、西暦1911年、享年51歳でこの世を去ることになりました。

 

 

 

 

 マーラーの作曲家としての業績は、おもに歌曲と交響曲にあります。

 

 そして、完成された9つの交響曲は、基本的には古典派から受け継いだ調性音楽を土台にしながらも、構成は非常に緊密で対位法を駆使した複雑なものになっています。また、ロマン的な情感をたっぷり盛り込んでもいて、随所に人間らしさを感じさせる音楽でもあります。

 

 

 テーマは、死と復活、愛、自然、神との対話などとやや哲学的な傾向を帯びていますが、それでいて、聴くぶんには非常に快適に耳に響く情緒的に受け止めやすい音楽として知られています。たとえば、鳥の声を模した木管楽器や、純粋な喜びを表すメロディ、ユーモアや諧謔に満ちた楽しい旋律が随所に置かれています。

 

 また、オーケストラの規模が巨大であるにもかかわらず、対位法が緻密であるために、ときとして弦楽四重奏のように室内楽的に聴こえる部分もあり、その矛盾するかのような音響にも魅力が秘められているでしょう。

 

 

 全体を通じてマーラー作品は壮大なスケールで響き渡り、わたしたちを魅了し、鼓舞し、また、慰めてもくれます。こうした音楽作品によって人生そのものと、人生を越える価値を付与しようとしたマーラーの功績は讃えられて然るべきでしょう。

 

 

第9のジンクス

 

 フランツ・シューベルト(西暦1797~1828、オーストリア)と同じく歌曲の作曲に通じていたマーラーは、ジンクスや病気を極端に恐れる傾向を持っていました。

 

 マーラー自身にとって、第8番目を数える交響曲を書き終えたとき、マーラーの脳裏から決して離れなかった事実は、偉大な先達であったベートーヴェンをはじめとする交響曲作曲家たちの多くが、交響曲を『第9番』まで書いたあとに、他界しているというジンクスでした。

 

 

 そこで、マーラーは一計を案じることで気休めをします。

 

 それは、『交響曲 第8番』に続く作品『大地の歌』は事実上、交響曲に匹敵する作品であるにもかかわらず、あえて、『交響曲 第9番 「大地の歌」』と命名せずに(そうすると、マーラー自身にも死が襲ってくると考えたため)、数字の番号を付さずに、たんに『大地の歌』と命名したのでした。

 

 これは、ベートーヴェン、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルザークといった偉大なクラシック音楽の作曲家たちが相次いで、交響曲を第9番まで仕上げたあとに他界しているという不吉な数字の【第9番】を避けた、というわけです。

 

 

 ところが、運命とは皮肉なものです。

 

 その後、マーラーは、いつまでも交響曲に『第9番』の名称を与えることを避けてはいられないと考え、新しく完成させた交響曲に、前作『大地の歌』では外した『第9番』の称号を与えました。

 

 それからまもなく、マーラーはいち早くジンクスを脱するためにも、『交響曲 第10番 嬰ヘ長調』の完成をめざして作曲にとりかかります。この『第10番』という数字を乗り越えたら、長く生きられるのではないかとマーラーは考えたのでした。

 

 しかし、まもなくマーラーは心臓の疾患が深刻化し、治療のかいなく、着手していた交響曲第10番を完成することのないまま他界するという、じつに皮肉な運命をたどるのでした。

 

 マーラーが当初恐れていた予感が的中し、作品に与える本来の数字をずらすなどの工夫を施したにもかかわらず、自身も『交響曲 第9番』で終止符を打つことになってしまいました。

 

 結局、マーラーは後世から「ベートーヴェンらとともに、交響曲を第9番まで完成させて世を去った偉大な作曲家のひとり」に名を連ねるという、何とも悲劇的な結末となったのでした。

 

 

 以上が、クラシック音楽界で知られている「第9のジンクス」の全容です。

 

 

 

 

 

 

 

 それでは、さっそく、マーラーの『アダージェット』を聴いてみましょう!!

 

 

『交響曲 第5番 嬰ハ短調』の第4楽章が『アダージェット』

 

 この『アダージェット』は、じつは、マーラーの『交響曲 第5番 嬰ハ短調』における第4楽章にあたります。

 

 西暦1902年、マーラー42歳のときに作曲された第5番はとりわけマーラーの交響曲の中でも苦悩から輝かしい勝利へ到る道を音楽化しているといわれる作品です。

 

 マーラーが尊敬していた作曲家ベートーヴェンの『交響曲 第5番 ハ短調 「運命」』と同じような発想ですが、全体の構成はマーラーのほうがやや複雑です。

 

 

 さて、ここで『交響曲 第5番 嬰ハ短調』の全体の流れを見てみましょう。

 

 

 第1楽章=葬送行進曲と名付けられ、トランペットの暗い響きで開始されます。

 

 第2楽章=「嵐のように」と作曲者本人による指定があるほど激烈な曲になります。

 

 第3楽章=諧謔的になり、ユーモアがあふれる旋律が現れます。

 

 第4楽章=今回ご紹介する『アダージェット』が登場します。前半の嵐のような苦悩をくぐり抜けてきたあとに、弦楽器群が奏でる甘美なメロディは殊更に心に響くものです。

 

 第5楽章=華やかなロンドで、勝利を祝うかのような響きで終結していきます。

 

 

 

 

弦楽器の音色から最大限の癒し効果を引き出す書法

 

 この作品はマーラーが円熟期に入った、中期の傑作と位置付けられています。私生活でも安定しており、音楽も豊潤な響きを得てきます。

 

 第4楽章だけは、他の楽章とはちがって、弦楽器とハープが中心となっており、意図的にトランペットなどの金管楽器やフルートなどの木管さえも休み、もちろんティンパニなどの打楽器群も使用されません。

 

 徹底して弦楽器の音色から最大限の癒し効果を引き出すように作曲者マーラーが構想を練っていた跡がその書法からうかがえます。

 

 単独でも演奏されるほど人気が高く、演奏時間もわずか10分ほどで、癒しの音楽として聴くにはほどよい長さです。

 

 

グスタフ・マーラー『交響曲 第5番 嬰ハ短調』から、第4楽章『アダージェット』のアルバムのご紹介

 

 

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◎この曲は、上から第4曲目が、第4楽章『アダージェット』となっています。

(Amazon側の都合で、順序が変更になる場合があります)

 

 

 

 

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楽曲構成

グスタフ・マーラー『交響曲 第5番 嬰ハ短調』から、第4楽章『アダージェット』

 

 

【作曲された時期】 西暦1902年(マーラー、42歳)

 

【使用されている楽器】 弦楽器群、ハープ

 

 

【第4楽章】

 

演奏時間 : 9分01秒

 

曲の形式 : 三部形式

       アダージェット

       ヘ長調

 

 

①A(第1部)       : 0分00秒 ~ 4分06秒

 ハープが導入し、弦楽器群による甘美で慰めに満ちた旋律が続きます。

 クラシック音楽における後期ロマン派の集大成のような旋律はその後だんだん重厚になっていき、やがてクライマックスを築いていきます。

 

 

②B(第2部=中間部)   : 4分07秒 ~ 5分56秒

 転調をくり返しながら、浮遊感のある独特の音調を示す部分です。

 

 

A(第3部)       : 5分57秒 ~ 9分01秒

 ふたたび冒頭のハープが現れ、第3部に入ります。うねる弦楽器群が感傷を極めたのち、静かに消えるように終結していきます。

 

 

 

 

 さて、いかがでしたか?

 甘美な旋律が、あなたの疲れた心を癒してくれたでしょうか。

 

 「アダージェット」は「アダージョ」よりやや速いテンポ指示であり、落ち着いた曲想の音楽になることが多く、ここでのマーラーの作品からも、そのニュアンスが絶妙に伝わってくることでしょう。

 

 

 わたしが最近、夜な夜な聴いている音楽は、マーラー作品で言えば『交響曲 第10番 嬰ヘ長調』の第1楽章です(毎晩、聴いているわけではありません)。現在、ちょうどマーラーの没年齢を越えたところにいるので、そうした年齢的な共感が心をとらえているのかもしれません(初めて聴いたのは、16年ほど前の、まだ30代のころでしたが)。

 

 いずれ、余力がまだあればの話ですけれども、『交響曲 第10番 嬰ヘ長調』の第1楽章のみを取り上げてみたいと思います。第2楽章から第5楽章までは後世の補完によるところが大きく、純粋にマーラーの意思が反映されているのは第1楽章だからです。

 

 また、マーラーの死後に補完されて完成した作品(=全5楽章制をとる版)を続けて演奏した場合、演奏時間が80分(=1時間20分)ほどかかってしまうのに対し、第1楽章だけであれば、20分ほどの長さです。聴きやすさの観点からも、第1楽章のみとするのが当サイト記事としては妥当ではないかと考えています。

 

 初老という誰もが避けて通れない関門にさしかかったときの孤独感をやわらげ、自身との内面的な対話を深めるきっかけになるであろう、こうしたクラシック音楽の傑作を、それを必要とする方がまだ世の中にいると想定されるかぎり、伝えていきたいとわたしは思います。

 

 また、年齢的にはわたしたちより若くても、精神的に老成している方には、先取りされた生涯の終わりの予感の音響として聴かれるはずです。ここでいう「老成」とは、支配欲や物欲にあふれた3次元との訣別を自身に宣言し、すでに高尚な魂の旅を始めていて、実年齢より成熟しているという意味です。

 

 もちろん、「先取りされた生涯の終わりの予感」と言っても、わたしたちはスターシードとして地球の次元上昇に日々携わっていますし、希望を失うような状況には置かれてはいません。

 

 ただ、魂の契約の観点から、地球が大きく変容する前に世を去る可能性もあります。その魂の契約を記憶している人はほとんどいません。記憶があると主張している人の多くが勘違いであると思われます。

 

 ですから、そうした展開になったとき(=地球が大きく変容する前に、自身が世を去る可能性が出てくる)のために心の準備をしておくという意味あいで、前もってマーラーの『交響曲 第10番 嬰ヘ長調』などを聴いて知っていれば、つらくなったときに孤独にさいなまれることなしに、人生の伴走者(=音楽)をすぐに呼ぶことができるでしょう。

 

 

 いずれにせよ、まずは、あまり深く考えないで、今回はムード音楽や環境音楽を流すつもりで、マーラーの『交響曲 第5番 嬰ハ短調』の第4楽章『アダージェット』を鑑賞していただきたいところです。

 

 

 

 

 

 

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