【世にも美しい波動の上がる音楽 49】 甘美で落ち着いた弦楽器の響きに癒される、極上のクラシック音楽 BEST3!! ボロディン『ノクターン』 モーツァルト『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387 ~ 第1楽章』 チャイコフスキー『アンダンテ・カンタービレ』
- 【世にも美しい波動の上がる音楽 49】 甘美で落ち着いた弦楽器の響きに癒される、極上のクラシック音楽 BEST3!! ボロディン『ノクターン』 モーツァルト『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387 ~ 第1楽章』 チャイコフスキー『アンダンテ・カンタービレ』
- ボロディン『ノクターン』
- モーツァルト『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387 ~ 第1楽章』
- チャイコフスキー『アンダンテ・カンタービレ』
甘美で落ち着いた弦楽器の響きに癒される、極上のクラシック音楽 BEST3!!
として、きょうは、3つの作品をご紹介します。
ボロディン『ノクターン』
ロシアの作曲家、アレクサンドル・ボロディン(西暦1833~1887)が作曲した『弦楽四重奏曲 第2番』から、第3楽章がノクターンと指定されていて、この部分だけが有名になりました。
ノクターンは「夜想曲」とも呼ばれ、夕べの思いを込めた甘く切ない楽想が歌われる作品が多く、有名なものでは、当サイトでもかつて取り上げた、ショパンの『ノクターン 第2番』などが知られています。
このボロディンの『ノクターン』については、あまりの人気の高さに、オーケストラ編曲版も早くから出ています。ここでは、やや分厚い弦楽器群を採用した編曲版をご紹介します。
作曲家のボロディンは医師でもあり、さまざまな学術分野の発展に寄与した有能な人物でした。
しかし、この曲では抒情的に心に響くやさしさが際立っており、理詰めの姿勢はあまり感じられません。
科学的知識とは別領域のものとして音楽を魂に属する研究科目のように丁寧に愛を込めて取り扱っているようすが、ここにはうかがえます。それは彼自身の人柄にも依るところが大きいのではないでしょうか。

Amazonミュージック・アンリミテッド(Unlimited)会員でない方は、その他のお持ちの媒体で、同じ曲、同じ演奏家を指定して、お聴きください。曲の説明はそのまま適用できます。
ボロディン『ノクターン』 のアルバムのご紹介
★「ヴィヴァルディ・オーケストラ」による演奏です。それぞれのパートで複数の楽器を使用した版となっています。
下記をクリックすると、曲のアルバムが表示されます(Amazonミュージック・アンリミテッド(Unlimited)会員様限定です)。
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◎第9曲目が、ボロディンの『ノクターン』になります。
(Amazon側の都合で、曲の掲載順序は変更される場合があります)
ボロディン『ノクターン』
演奏時間 : 8分17秒
曲の形式 : 三部形式(A-B-A-コーダ)
アンダンテ
イ長調
①A(第1部) : 0分00秒 ~ 2分15秒
夜想曲にふさわしいロマンティックな旋律が現れます。
②B(第2部=中間部) : 2分16秒 ~ 4分48秒
新しい上昇する主題が登場し、途中から短調になって盛り上がったあと、Aの主要主題と対位法的に組み合わされていきます。
③A(第3部) : 4分49秒 ~ 7分19秒
第1部と同じ主調に帰り、その後、カノン風に展開していきます。やがて、中間部と同じく、AとBの両主題が融合していきます。
④コーダ(終結部) : 7分20秒 ~ 8分17秒
Aの主要主題を甘美に演奏して、消えるように閉じていきます。
いかがでしたか?
甘美でいながらも、情に流されず、理知的な感覚を残して余韻に浸らせる作曲のうまさは、ボロディンならではのものです。この曲想でしたら、国境を越えて、人々の心に直接的に届く普遍的なメッセージとなり得るように思います。
ショパンの『ノクターン 第2番』と並んで、ボロディンの『ノクターン』も甲乙つけがたいほどに魅力的な一曲になっています。ショパンの『ノクターン 第2番』については、下記の記事をごらんください。
★ロマンティックな甘く切ない調べ。ショパンの『ノクターン 第2番』★
わたしの主観ですが、この曲を最初に聴いたときから現在までずっと、上記のイラストのような、日暮れ後に街灯がともされている静かな街並みをイメージが浮かんできます。当時はまだ10代で、曲名の「ノクターン」の意味もろくに知らなかったわたしでしたが、その感受性では、しっかりと真相をとらえていたことになります。みなさんの第一印象はいかがでしょうか?
モーツァルト『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387 ~ 第1楽章』
モーツァルトの『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387』は、西暦1782年に作曲されました。モーツァルトが24歳年上の作曲家ヨーゼフ・ハイドンに贈った、いわゆる『ハイドン・セット』のうちの一曲です。
この曲には『春』という愛称もつけられていて、特に、第1楽章では春爛漫のイメージが顕著です。うららかな春の陽ざしを連想させるかのように次々と湧き出る旋律美は、モーツァルト独特のものではないでしょうか。
今回は、その第1楽章を取り上げます。
第2楽章はメヌエット(三部形式または複合三部形式)、第3楽章はアンダンテ・カンタービレ(展開部を欠いたソナタ形式)、第4楽章はモルト・アレグロ(ソナタ形式)となっています。
さて、この曲をはじめとする6曲の弦楽四重奏曲をモーツァルトから献呈されたヨーゼフ・ハイドン(西暦1732~1809、オーストリア。作曲家でいうウィーン三巨星(ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン)のひとり)の言葉は、こんにちまで語り継がれていて、しばしば引用される機会のある句です。
『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387』を含む6曲の弦楽四重奏曲の完成度の高さに深い感銘を受けたヨーゼフ・ハイドンは、モーツァルトの父であるレオポルトに、次のように語りました。
「わたしは神に誓って申し上げますが、あなた(註1:モーツァルトの父レオポルト)の御子息は、わたしが名実ともに知る『偉大な作曲家のうちのひとり』ではなく、『最も偉大な(最高の)作曲家』です。」
- ヨーゼフ・ハイドン (西暦1785年)
このようにモーツァルトの才覚を素直に表現したハイドンの気持ちが、たんなるモーツァルトの父に対する追従でないことは、この楽曲を聴けばすぐさま誰にも疑いようのない事実であることが示されるでしょう。
★モーツァルトの音楽を賞賛した人たちの言葉から、人生の意義を考える★

さて、それではさっそく楽曲のほうに移りましょう。
モーツァルト『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387 ~ 第1楽章』 のアルバムのご紹介
★「Eder Quartet(=エデル四重奏団)」による演奏です。ここは、オーケストラではなく、純粋な弦楽四重奏曲(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)です。
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◎第11曲目が『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387』の第1楽章になります。
(Amazon側の都合で、曲の掲載順序は変更される場合があります)
モーツァルト『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387 ~ 第1楽章』
演奏時間 : 7分58秒
曲の形式 : ソナタ形式
アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ(非常に活発に)
ト長調
①提示部 第1主題 : 0分00秒 ~ 0分48秒
春の心地がするやわらかい第1主題です。
②提示部 第2主題 : 0分49秒 ~ 1分54秒 (コデッタを含む)
つつましくありながらも推進力をもった第2主題が続きます。日本の童謡『かえるのうた』の終わりに似たユニークな楽節が現れます(1分51秒~1分54秒)。
もともと『かえるのうた』は日本人が作詞作曲したものではなく、ドイツ民謡から日本の童謡に転用された経緯があり、メロディのルーツはやはり西洋にあるものと推測されます。モーツァルトの曲との共通点があっても、不思議でないことになります。
③リピート 第1主題 : 1分55秒 ~ 2分44秒
①提示部の第1主題がリピートされます。
④リピート 第2主題 : 2分45秒 ~ 3分50秒 (コデッタを含む)
②提示部の第2主題がリピートされます。
⑤展開部 : 3分51秒 ~ 5分44秒
短調にふれ緊張感あふれる展開となり、第1主題に回帰していきます。
⑥再現部 第1主題 : 5分45秒 ~ 6分36秒
第1主題が再現されます。
⑦再現部 第2主題 : 6分37秒 ~ 7分58秒
特に大きなコーダは付けられず、平和な情感のうちに、静かに閉じられます。
引き締まったテンポと弦の描くなめらかな音響が、聴く者の心に、春をもたらしてくれる楽想ではなかったでしょうか。快活なリズム(=アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ)にもかかわらず、ゆったりした印象のある曲です。
チャイコフスキー『アンダンテ・カンタービレ』
ロシアを代表する偉大な作曲家、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(西暦1840~1893)による甘美な旋律の宝庫といえる曲です。
原曲は、西暦1871年に作曲された『弦楽四重奏曲第1番』の第2楽章で、ロシアの文豪トルストイ(西暦1828~1910)から賞賛されたことで知られています。
のちにチャイコフスキーもそれを回想しています。
それは、西暦1876年12月、ニコライ・ルビンシュタインが開催したコンサートで、『弦楽四重奏曲 第1番』の第2楽章(=『アンダンテ・カンタービレ』)の演奏に臨席していたトルストイが、感動のあまり涙を流してチャイコフスキーの才能を賞賛した、というエピソードのことです。
西暦2025年11月13日付けの記事の後半で、トルストイの作品から、ある主人公の臨終の場面を取り上げました。人間の旅は現世での死をもって終わることなく、光の彼方にある天上界につらなっていくというトルストイの思想を、短くも的確に表現した場面となっています。
チャイコフスキーの音楽にまつわるエピソードで登場したトルストイについて、せっかくの機会ですから、ぜひご参考までに御覧ください。
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この曲も人気が高く、のちにオーケストラ用に編曲されたものが数多く出回っており、たしかにこのほうが、原曲の弦楽四重奏版と比較しても耳に心地よく響くものがあるのは事実です。
そこで今回は、オーケストラ用に編曲された版による演奏を取り上げることにしてみます。
『アンダンテ・カンタービレ』は、特定の曲の名称ではなくて、
「アンダンテ = 歩くような速さで」
「カンタービレ = 歌うように」
といった作曲者による演奏の指示にすぎません。そのため他の作曲家の作品にも「アンダンテ・カンタービレ」という指定を受けた楽曲(=楽章)がたくさんあり、固有の曲名では、本来ないのです。
現に、当記事の前章に記載したとおり、モーツァルトの『弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387』では、第3楽章の指定が「アンダンテ・カンタービレ」となっていたはずです(画面をスクロールさせて戻って、ご確認いただくと、わかります)。
ところが、この楽章のあまりの評判のよさから『アンダンテ・カンタービレ』という本来は音楽の速度や演奏の雰囲気を指定する用語が一人歩きをするようになり、いつしかそれが、チャイコフスキーのこの曲を指して言われるようになっていったのでした。

それでは、じっさいに聴いてみることにしましょう。
チャイコフスキー『アンダンテ・カンタービレ』 のアルバムのご紹介
★「2001・ストリングス・オーケストラ」による演奏です。弦楽四重奏版より豊かで厚みのある弦楽器の響きに癒されてください。
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◎第10曲目にあるのが、『アンダンテ・カンタービレ』です。
(Amazon側の都合で、曲の掲載順序は変更される場合があります)
チャイコフスキー『アンダンテ・カンタービレ』
演奏時間 : 5分03秒
曲の形式 : 展開部を欠いた、ソナタ形式
アンダンテ・カンタービレ
変ロ長調
①提示部 第1主題 : 0分00秒 ~ 1分42秒
ヴァイオリンがこのうえなくやさしい旋律を切り出します。ロシア民謡からの旋律だと言われています。
②提示部 第2主題 : 1分43秒 ~ 2分42秒
第2主題は、温和で落ち着いた楽想です。
(展開部 なし)
③再現部 第1主題 : 2分43秒 ~ 3分24秒
④再現部 第2主題 : 3分25秒 ~ 4分22秒
⑤コーダ(終結部) : 4分23秒 ~ 5分03秒
第1主題に基づく短いコーダが、天高く消えていくようにして終わります。
さて、いかがでしたか?
今回は、弦楽四重奏曲の名曲から、癒しに満ちた音楽を3つ、ご紹介しました。
「弦楽四重奏曲」と聞くと、とても難しい音楽のように聞こえますが、じっさいに鑑賞したあとに、どのようにお感じになったでしょうか? きっと、とても柔和でやさしい弦楽器の響きに癒されたことと思います。
わたしは、この3曲の名作のなかでもとりわけボロディンの『ノクターン』がお気に入りです。夜半に聴くと、癒されます。心が穏やかになって、波動が安定してきます。翌日にもまだ耳に残っていて、日中に一人でいるときに、その甘美な残響に浸ったりもしています。
音楽を通して心身を高いエネルギー状態に置き、自己の内面から変革していくようにしましょう。その瞬間、あなたの魂はもっとすばらしい世界にじっさいに飛び立ち、神々しい世界を垣間見ているかもしれません。
古い世界が目の前から消えるように願いをかけるよりも、自身の心をはばたかせて高い世界に飛翔させる試みに取りかかるほうがはるかに有益です。そのさいに、音楽の力をかりるのはたいへん秀逸な手法となるでしょう。
サイト名 : 一人を生きる -希望の彼方に-