【世にも美しい波動の上がる音楽 1】 干涸らびた恋心に潤いを与える ~ 『ショパン ピアノ協奏曲』と『外国映画』との秘密の関係!!
- 【世にも美しい波動の上がる音楽 1】 干涸らびた恋心に潤いを与える ~ 『ショパン ピアノ協奏曲』と『外国映画』との秘密の関係!!
- 恋とは、相手が居なければ、成り立たない?
- 結婚したら、きっと、こうなる!!
- 結婚に、メリットはあるのか?
- 既婚者も、その例外ではない
- 恋に破れたすべてのロマンチストたちに残された道とは?
- フレデリック・ショパンの紹介
- ショパン作曲:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
- ショパンみずからが語る『美しい月明かりの夜』
- ショパン作曲:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調
- 【アルゲリッチ盤が、超絶おすすめ!!】
- 【さいごに】
恋とは、相手が居なければ、成り立たない?
恋とは、相手が居なければ、成り立たないモノなのでしょうか?
世の中には、プラトニック・ラブと呼ばれる恋が、ありますよね。
対象を持たない愛、化学結合する手をたくさん持つが、化学反応を起こす相手がいない原子のような状態を想定すれば、わかりやすいでしょう。
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特定の相手がいたら・・・最初は、【愛】のような感覚を感じるかもしれません。
しかし、時というものは、必ず移ろいます。
結婚したら、きっと、こうなる!!
そして、無理に結婚すると、つぎのような厄災が降りかかってくるでしょう。
以下に、「結婚したら、きっと、こうなる!!」という、われわれ日本人が墓穴を掘りやすい自滅パターンをご紹介していきましょう。
(※注1:実体験から語っているのではありません)
・支持政党の違い、ニュースを見るたびにけんかになる
・食べ物の好みが違いすぎて、レストラン選びに苦しむ
・スポーツ応援時に、ひいきチームの違うために、息苦しくなる
・仕事から帰って来るなり、愚痴ばかりで、やかましいと感じる
・子供ができ、育児の分担にとまどう
・子供の欠点を、配偶者のせいにして、いいところは自分のおかげという
・男は髪の毛や腹部、女性は皮膚など、容姿・体型が、出会ったときと比べて、小さくない変化が生ずる
・育児が終わると、共通の話題がなくなり、体力・気力も減衰し、いっしょにいるのがつまらなく感じるようになる
・老親(合計4人いる、存命中なら)が認知症や病気療養が長引くと、金銭面だけでなく、介護でつきっきりになり、自由を著しく制限される
・自身も老化し、老眼、記憶力低下、足腰の虚弱化、持病の悪化などで苦しむ
・・・とまあ、例を挙げれば切りが無いほどです。
結婚に、メリットはあるのか?
そんなわけで、結婚に、メリットは、あるのでしょうか?
わたしには、わかりません(見出しに対する答えになっていないじゃねえかよ?!)。
もちろん、この広大な世界のどこかには、自分に似つかわしい異性が存在しているとは想像できます。
しかし、限られた人生の時間内で、そのような素晴らしい出会いは、あるのでしょうか?
はかない夢はいつか、手から離れた風船のように、どこか遠くの青空に消えていきます。
既婚者も、その例外ではない
独身者の心が干上がっていて、既婚者は潤っている、とは限りません。
最悪、結婚後に、すっかり心が砂漠地帯に変わり果ててしまった方も、少なからず、いらっしゃるのではないか、と推測しています。
そうなると、ある意味、独身者にありがちなように、空想の世界に逃避しづらい状況に追いやられます。
「もしかして、そのうち、いい出会いがあるかもしれない。」
きっと、独身の身分であれば空想できたであろう境地に身を置くことは、もはや二度と許されないという恐怖・・・既婚者の方も、楽ではないですよね?
さて、こうなると、わたしたちは、独身であれ、既婚であれ、心が干涸らびる危険性に、たえず身をさらしていることになります。
恋に破れたすべてのロマンチストたちに残された道とは?
ここで、心が干涸らびそうだと救難信号を発しているように思われた方は、いまのところは、
【恋の実現(または持続)】
よりも、
孤独でも、落ち込んでいないで、恋心をもつ人さながらに、いつもさわやかな気持ちでいられること
を本気でめざしましょう!
べつに、周囲から、
「いやぁ~、君って、さわやかだね!」
と評価される必要はありません。
ここでは、他人の目線は、まったくといっていいほどに関係ありません。
自分自身で、「突き抜けたな」と思えれば、それでよいのです。
★なりたい自分になる憧れ
★理想的な世界が誕生する予感
これだって、りっぱな「愛」の構成要素となるのではないでしょうか。
そうです。愛は、必ずしも、人間の男女の間で咲くものではないのです!!
でも、そうとはいっても、やっぱり、恋心をまったくなくしてしまったら、誰だってさみしいですよね?
そんなとき、干涸らびたわたしたちの恋心に、潤いを与えてくれるものはなんでしょうか・・・
平均的日本人で言うと、つぎのようなところに落ち着くでしょうか。
・料理
・旅行
・ペット
・宴会
・ショッピング
●●何を気晴らしとするか、それは究極には、個人の自由でしょう。●●
わたしだったら、ここに、【音楽】というエレメントを追加したいと考えます。
それも、並大抵の音楽などではなく、とびっきり、ロマンチックなムードあふれる音楽・・・
それは、
ショパンのピアノ協奏曲です!!
恋に破れたロマンチストたちに残された道とは、このことだったのです!
フレデリック・ショパンの紹介
フレデリック・ショパン(1810~1849)と言えば、ピアノの詩人などといわれます。
ポーランドに生まれ、天才と称されたピアノの作曲と演奏の腕前について、いまここでご説明するまでもないでしょう(紹介するって言っておいて、説明なしかよ?!)。
誰でも、どこかで、こんな曲だけは、聴いたことがあるはずです。
・子犬のワルツ
・別れの曲
・ノクターン(夜想曲)
などが、とりわけ有名な曲ですよね?
しかし、このような、ピアノの独奏曲よりも、もっと聴きやすく、壮麗で、映画音楽のような曲があるのです。
それが、これです!!
ショパン作曲:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
ショパン作曲:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
数あるピアノ協奏曲の中でも、世界で最も美しい部類にランクインすること間違いなしの、名曲中の名曲です。
1830年、ショパン20歳のときに、ポーランド・ワルシャワで初演されました。
ピアノ協奏曲といえば、モーツァルトがこのジャンルで最高峰を極めたのは誰もが知る事実ですけれども、このピアノの詩人、フレデリック・ショパンが作曲した第1番は、いくつかのモーツァルトのそれに並ぶような、流麗な旋律美にあふれています。
第1楽章:アレグロ・マエストーソ
★第1番と第2番を合わせたすべての楽章において、最もオーケストラ曲として完成度が高いものに仕上がっています。
優しい第2主題の旋律をメインとして編曲された、イージーリスニング用の楽曲(『ショパンのピアノ協奏曲』という、そのままの曲名です)が、1980年代に流行しましたが、それだけ、クラシック音楽になじみのない方でも、心にロマンスと優しさが染み入るメロディーが奏でられます。
曲の冒頭部分は、悲壮感が漂うものの、それに打ち克とうとする力強さが感じられるでしょう。
ひとまず、ショパン自身が、後世から受けることになる評価といえる「繊細で病弱な音楽家・ショパン」像をいい意味で裏切ってくれます。
その後、曲は、協奏風ソナタ形式により再現部から終結部に向かい、最後に情熱的なコーダが頂点を形成して、最も「ショパンらしくない」ダイナミックな第1楽章を、力強く閉じていきます。
第2楽章:ロマンツェ
★この楽章は、単独で演奏される機会もあるほどに、美しいノクターン(夜想曲)風の音楽です。恋人とふたりで、プラネタリウムで聴いたら、さぞかしロマンティックでしょう!
きらめくようなピアノと、天の川のような弦楽器の調べ。
優しく、癒やしに満ちた旋律が、次から次へと、尽きることのない泉のように、湧き出てくる。
このような音楽が、この世にあったのか・・・
このロマンツェの美しさに匹敵する作品といったら、あのモーツァルトが残した、2つの短調で書かれたピアノ協奏曲(第20番ニ短調K.466、第24番ハ短調K.491)の緩徐楽章ぐらいではないでしょうか?
それらに比肩しうるぐらい、繊細で情緒豊かに響くこのロマンツェ楽章を聴かずして、この世を去ることがないようにと、心から大真面目に願っております。
この楽章は、地球人類が創造した音楽作品の中でも指折りの甘美なメロディーの宝庫となっています。
ちなみに、後述しますが、この第2楽章を書いていた当時のショパンは、ワルシャワ音楽院の若い女性に恋心を寄せており、そんな純情が旋律に反映しているのではないかという研究者もいるほどです。
第3楽章:ロンド
★ハツラツとした若きショパンの心情が有り余るほどに伝わってくる、若者の歌です。最後の盛り上げ方も、チャイコフスキー風で魅せてくれます。
全体として、20代の方であれば同世代の共感を受けるでしょうし、30代以上の方であれば、青春の日々の追憶を呼びさまされるかもしれない、情熱的な音楽です。
ぜひ一度、だまされたと思って(もちろん、そんなつもりはありませんけれども)、聴いてみてください。
ショパンといえば、ピアノ独奏と思っていたら、壮麗なオーケストラとピアノという組み合わせの新鮮な感動に出会えることが約束されるでしょう。
ショパンみずからが語る『美しい月明かりの夜』
ここで、当時20歳だった若きショパンが、友人のティトゥスに宛てた手紙(1830年5月15日付)に、このピアノ協奏曲第1番の第2楽章に言及している箇所がありますので、わかりやすく要約して、ご紹介します。
・・・新しいピアノ協奏曲(第1番)のロマンツェ(第2楽章)では、僕は、力強さを要求しませんでした。
それよりもむしろ、ロマンティックで静謐な、そしていくぶんかのメランコリー(憂鬱さ)を含んだ、甘い追憶がこみ上げてくるような場面を描き出しました。
あえて言葉で表すとしたら、『美しい月明かりの夜の一場面』とでも言いましょうか?・・・
このとき、若者の例にもれず、恋に落ちていたショパンが、自身の作品に言及したなかで、ピアノ協奏曲第1番の第2楽章(ロマンツェ)を、
『美しい月明かりの夜の一場面』
と評していたのは、とても興味深いです。
また、そのとおりに、ありあまるほどのロマンティシズムを湛えている音楽となりました。
ショパン作曲:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調
ショパン作曲:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
第1番のピアノ協奏曲よりも、少し早く完成していたのですが、出版の事情で、「第2番」という名称が付いたため、実際には、こちらの曲が先に作曲されていたということになります。
初演されたのは、『ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11』と同じく、1830年、ショパン20歳のときでした。さきの事情で、第1番より数ヶ月だけ早く演奏会が行なわれています。
このピアノ協奏曲第2番を作曲していた当時、ショパンはまだ10代後半という多感な青年期の入り口に立っており、ある麗しい少女(※注2)に恋をしていたと言われています。
※注2:ある麗しい少女 = ワルシャワ音楽院に在籍していた、『コンスタンチア・グラドコフスカ』という声楽家の若い女性。
その恋心という心理状態が、このピアノ協奏曲第2番に影を落としていることは疑いようのない真実でしょう。
よって、彼のピアノの詩人ぶりがよく伝わってくる作品でもあり、時代も民族も超えて、そのようなみずみずしい情感は、いつも若者の胸の内にあふれかえっている普遍性さえ、思い起こさせてくれる作品に仕上げられています。
第1楽章:マエストーソ
★堂々とした楽章です。
最初期の作品とあって、初々しいですけれども、盛り上げるところは、きちんと押さえていて、若者らしいエネルギッシュな情念が込められています。ソナタ形式の典型であり、安心して聴くことが出来ます。
第2楽章:ラルゲット
★恋心を忘れた方も、追憶の彼方に、この楽章ににじみ出るショパンの恋に添えて、旅に出かけませんか?
恋する気持ちには、時代も、民族も、関係ないということが、この第2楽章に表現し尽くされているかのようです。
第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
★物思いに沈むような音調から始まり、最後には、明るい調子に転じて、力強くしめくくられる、古典派後期~ロマン派初期における大団円が形成されます。
両曲とも、大河ドラマのテーマ曲にあるような、壮麗で、オーケストラが重厚なのに、覚えやすくて親しみが持てる、そんな理想を極めたのが、ショパンのピアノ協奏曲なのです。
流れ星のごとくにきらめくピアノの調べが、あなたの心にロマンスという名のカクテルを注ぎ込んでくれるはず☆彡
「ああ、これなら、恋に破れ去ったいまの僕にぴったりだ!!干涸らびた恋心に、潤いが出たよ?(そんなセリフ、わざわざ言うかよ?)」
「ありがとう、フレデリック!!(いきなり親友モードかい?)きみのおかげだ。」
となること請け合いです。
とくに、ショパンのピアノ協奏曲第1番の第2楽章は、とてもロマンティックで、満天の星空を眺めている恋人同士の語らいの場面のようです。
【アルゲリッチ盤が、超絶おすすめ!!】
◎この演奏では、もはや、これ以上の名演奏は世に出ないと言われている、マルタ・アルゲリッチさんの演奏を推したいと思います。
マルタ・アルゲリッチさんは、いうまでもなく、アルゼンチンに生まれた20世紀最高峰の女流ピアニストです。
超絶技巧に加え、ペダルの使い方がこの上なく上手で、音の引っ張り方により、ほどよく残響音を調節する才能に長けているのでしょう。天才的な技術と、水がしたたり落ちるような感受性とが融合しており、ショパンの詩情と非常に相性がよいものと考えられます。
逆に、この方の演奏を聴くと、どうしても、その後に聴く盤が物足りなさを感じてしまいますので、もし、いろいろな演奏に触れてみたいという方は、アルゲリッチさんの演奏を、いちばん最初には、聴かないでください。
【さいごに】
干涸らびた恋心に潤いを与える、そして、たとえ相手はいなくても、なりたい自分になる憧れ、理想的な世界が誕生する予感を実現させる。
既婚、未婚を問わず、このような形の【愛】にめざめた方は、旧来から用いられるような意味での不幸には、二度と陥らずにすむでしょう。
美しい音楽を聴くだけで、心に潤いが出て、新しい人生を始められる・・・こんなすてきなことが、ほかにあるでしょうか?
まず、最初に、【ショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調】第2楽章=ロマンツェだけでも、試聴してみてください!
★曲は、ラルゲット(ゆるやかに演奏する意味のラルゴより、やや速く)と速度指定され、たゆたうような音の波に包まれてください。このロマンツェは、ヒーリング音楽としても最適でしょう。
形式は、A-B-A’という三部形式です。
大きく分けて、3つの部分から成り立っており、そのため、初めて聴いても、わかりやすいです。
①穏やかな楽想で開始します。これが「A」の部分です。
Aは、A-1、A-2、A-1(最初より少し装飾を加えている)という順に登場します。
(上記のアルゲリッチ盤の録音における、タイムを表示します)
A 0分00秒 から 4分53秒 まで
②暗く、激しい短調の音階に転じたら、ここからが「B」部分となります。
(同上)
B 4分54秒 から 5分47秒 まで
③そこを奏し終わると、①のAを少し変えた「A’」が奏されます。
A’は、A’-2、A’-1、コーダ(曲の最後をしめくくる部分)という順に登場します。
(同上)
A’ 5分48秒 から 9分58秒 まで
特に、③A’の結びの部分=コーダは、夢のように美しい響きに満ちています。
しかし、全く最初に出てくるAと同一の再現ではありません。
いくらか並びが変えられながらも登場する主旋律はほぼ同じで、Aを回想しながら、名残惜しむようなコーダが奏されて、星の彼方に消えていくように閉じられていきます。
まさに、ショパンみずからが、この楽章について語ったとおり、
「美しい月明かりの夜」
を、追体験できるでしょう!
◎もしあなたがここで、この音楽が好きになれたら、膨大な数のクラシック音楽が、あなたのこれからの人生を輝かしい笑顔で出迎えてくれるでしょう。この曲に類した音楽が、まだまだ、たくさん偉大な音楽家たちによって、われわれのために残されているからです!
旅の道連れがいれば、孤独な人生にも潤いが出てきますから。
どうかショパンの美しいピアノ協奏曲とともに、今宵、あなたが夢の世界に飛翔しますように!! ☆彡